淀川の支流に天の川という名の川がある。川の東方、生駒山麓を源流にして、最上流部に磐船神社が鎮座する。そこは渓谷をなし、貝原益軒の南遊紀行などに記された景勝地である。
天の川の下流、右岸に機物神社という社がある。祭神は大棚機比売、栲機千々比売など。女神2柱を祀り、その縁起も定かでないほど古くからこの地の産土神であった。交野、枚方の地は、星にまつわる伝説が随分多いところ。牽牛、織女の伝説もそのひとつだ。遠い昔、養蚕を生業とする人々が住みついたのだろう。
牽牛、織女の伝説は私たちのロマンをかきたてる。笹竹に短冊を吊るして、淡い夢見て育った人も多かろう。機物神社の七夕の日、機物神社の境内は、短冊に思い思いの願を書き、成就を夢見る人で賑わっている。茅の輪(写真左下)も設けられた。本宮の7日には、午後11時30分から天の川の逢合橋の袂で短冊流しの神事が行われた。なんとも夢のある祭りである。 |