玉垂宮(写真下)に鬼夜という火祭りがある。1月7日の夜に行われる追儺祭の神事である。こうした火祭りは、西日本ではトンドなど1月15日の小正月の行事となっているのであるが、九州では太宰府天満宮の鬼ふすべ祭りなど1月7日の夜に神社の祭りとして行なわれるところが多いようである。
玉垂宮の鬼夜は日本三大火祭りのひとつといわれる。神社の拝殿前に6基の大松明が据えられる。松明は長さ約12メートル、直径1.2メートル、1.2トンもある巨大なもの。松明に火が入り、締込み姿の数百名の青壮年が長い樫の棒で赤々と燃える松明を懸命に支える。松明の火の手は次第に勢いを増し、火の海となった境内に火の粉が舞う。
やがて、大松明は、鐘、太鼓の大音響が轟く境内を移動しはじめ神殿回りを7回半廻った後、楼門を潜り境内をでてフィナーレとなる。松明が神殿をまわるとき子供を肩車してまわると病気をしないと信じられている。
鬼火は極寒の筑紫の夜空を染める年中行事。例年1月7日、午後9時から2時間余にわたって行なわれる。仁徳天皇56年(368年)の起源と伝えられる。−平成18年1月− |