枚方は淀川の左岸に開けた町。人口約40万人。古くから栄えた町。日本書紀、播磨風土記、万葉集などにもその名が刻された古い町だ。百済王氏や田口氏などの繁栄は日本の中央政治や文化に少なからず影響を与え、また承久乱以降は相模から土屋宗達が新補地頭として来任し、近世枚方の基礎を築いた。 そうした古代、中世的要素の上に枚方は、宿駅という近世的要素を加え、発展してきた。伝統を大切にして、枚方はいまくらわんか舟など宿駅の保存、活用に目が向けられ始めている。
10月14日、京阪枚方駅周辺でふとん太鼓の巡行があった。江戸時代から続く、枚方を代表する市民のまつりである。ふとん太鼓はたぶん綿業とのかかわりから山車としてかつがれはじめたのであろう。山車としてのふとん太鼓は淀川を遡り、木津にまで達している。
枚方駅周辺の4町から舁きだされたふとん太鼓はみな大型である。府下でも屈指の規模。数十人の若者のよってかつがれるふとん太鼓。先導や障害物を整理する者など加えると、1台当たり100人以上の人手を要するようである。都会地でこのように盛大なまつりが絶えることなく続いている。枚方市民の誇りであろう。 |