鬼無 桃太郎祭り−高松市−
鬼無 桃太郎神社
 
 高松市に鬼無という町がある。瀬戸内海に注ぐ本津川左岸の河口近くに開けた盆栽と庭木の町である。早春の袋山の山麓をプラムの花が白く染めている。今日は、鬼無桃太郎神社の春祭り。。境内に讃岐うどんや名物・チラシ寿司などの出店が立ち、なかなか賑やかである。
  歓声に包まれた土俵上で児童が相撲に興じている。土俵下の広場では「鬼無桃太郎音頭」などの民舞が始まっている。
  大太鼓の独演の後、太鼓と小鼓の競演。これに鉦などが加わり都合4幕の「讃岐国分寺太鼓」が演奏された。独演の大太鼓といい、音色の異なる5種の太鼓と小鼓との競演といいすばらしい演奏が続いている。縄跳びの勝ち抜き戦も始まっている。境内の拝殿辺りには餅投げを待つ童らが姿が見える。鬼無桃太郎祭りは、例年3月の最終日曜日に催され、近在の老若男女で賑わう。
  鬼無町に桃太郎伝説が伝えられている。鬼が島は河口の北に浮かぶ女木島。桃太郎はワカタケヒコノミコト(稚武彦命)。田村神社(高松市一宮)、水主神社(東かがわ市大内)共通の祭神・ヤマトトトヒモモソヒメ(倭迹々日百襲姫)の弟にあたる命。モモソヒメは成年期まで讃岐で過ごした後、大和(奈良)へ進出した箸墓の主とされ、邪馬台国のヒミコ(卑弥呼)に当てる者もいる。
  桃太郎伝説は、讃岐一円を勢力下としたモモソヒメ一族の瀬戸内海制覇の経過を標す物語とも考えられる。播磨灘に向かって瀬戸内海を西から東へ航行すると、女木島が備讃瀬戸を南北に断ち塞いでいる。古代における瀬戸内海の制海権を考える上で、女木島は淡路島、小豆島とともに重要な島である。桃太郎伝説は、女木島などを制覇し、経済的利権を得て政治的にも実力を蓄えたモモソヒメが、大和へ進出する条件を整えた状況証拠を伝える物語とも考えられる。大変重要な意味をもつ伝説ではないだろうか。
  おとぎ話は子供たちに夢を与える民族の宝物。親から子へと語り継がれるおとぎ話は、子供たちの情操を育む世界共通の知恵。おとぎ話を忘れ物にしてはならない。−平成16年3月−

参考:九州 福岡 博多祇園山笠 筥崎宮の放生会 玉せせり 玉垂宮の鬼夜 婿押し(春日神社) 博多どんたく みあれ祭(宗像大社) 小倉祇園太鼓 佐賀 市川の天衝舞浮立 唐津くんち 四国 愛媛 七ツ鹿踊り 南予の秋祭り  保内の四ツ太鼓 和霊神社の夏祭り 香川 牟礼のチョーサ 四国の祭り 梛の宮秋祭り ひょうげ祭り 小豆島の秋祭り 徳島 阿波踊り 中国 広島 安芸のはやし田 壬生花田植 豊島の秋祭り  ベッチャー祭り 三原やっさ祭り 岡山 西大寺会陽 近畿・京都 湧出宮の居籠り祭 松尾祭 やすらい祭 木津の布団太鼓 祇園祭  田歌の祇園神楽 伊根祭(海上渡御) 三河内の曳山祭 大宮売神社の秋祭り 籠神社の葵祭り 本庄祭(太刀振りと花の踊り)  紫宸殿楽(ビンザサラ踊り) からす田楽 野中のビンザサラ踊り 矢代田楽  大阪 八阪神社の枕太鼓 四天王寺どやどや 杭全神社の夏祭り 粥占神事 天神祭の催太鼓 生国魂神社の枕太鼓 天神祭の催太鼓 秋祭り(藤井寺) 住吉の御田 住吉の南祭 枚方のふとん太鼓 科長神社の夏祭り 岸和田のだんじり祭り 奈良 龍田大社の秋祭り 大和猿楽(春日若宮おん祭) 奈良豆比古神社の翁舞 當麻寺の練供養 漢国神社の鎮華三枝祭 飛鳥のおんだ祭り 二月堂のお水取り 飛鳥のおんだ祭り 唐招提寺のうちわまき 紅しで踊り 糸井神社の秋祭り 国栖の奏 西円堂の追儺会(法隆寺)  滋賀 麦酒祭(総社神社) 西市辺の裸踊り 多羅尾の虫送り 大津祭 北陸 福井 小浜の雲浜獅子 鵜の瀬のお水送り