奈良
南阿田の流し雛−五条市南阿田−
南阿田の流し雛 男女一対の雛さまを竹の皮の舟に乗せ、願掛けをして、吉野川の岸辺からそっと舟を放ち、手を合わせる。大豆を頭にして千代紙でできた紙雛が竹の皮の舟に結わえられ、川面の漣に身を任せ、ゆらりゆらりとくだってゆく。やがて川は紀伊国に達し、吉野川は紀ノ川と名をかえて海に注ぐ。海中には加太淡島神社が鎮座し、流し雛は淡島神社に流れ着くという。同種の淡島信仰は和歌山県粉河町にみられる。いずれも淡島信仰から生じた節句の行事であろう。
 南阿田の流し雛まつりは、かつては紙雛を雛壇の下に飾り、雛納めの日の夕暮れもしくは明朝に紙雛を吉野川に流したが、40年ほど前から地区一統の行事として行われるようになったという。なんとも古色がある。よいまつりである。−平成20年4月−