氏神まつり(加計等)−山県郡安芸太田町加計−
神楽は広島の秋の氏神祭りに欠かせない行事の一つ。ヨゴロ(宵宮)に神楽を奉納するところが多い。
 10月7、8日は安芸太田町加計等地区の氏神まつり。乙九日(オトクンチ)に行なわれていた祭りも今は体育の日の前の土・日開催という。
 鎮守の参道にこの地方特有の大きな吹抜幟が立ち祭り気分が盛り上がる。中国山地の脊梁が迫り、岩にはじける太田川の清流が微かに音をたて、鎮守から漏れ聞こえる神楽太鼓とまじりあうころ、中天に名月がのぼり神楽提灯の灯がいよいよ明るさを増す。
 神楽の始まりは夜更けの9時、10時。11時から舞い初めのところもある。終演は深夜の0時から3時頃までと幅がある。昔は朝の7時頃まで延々舞われたが、勤め人などもいて、近年では遅いところでも概ね3時頃には終わる。
 広島の神楽は、出雲神楽、石見神楽、備中神楽の3系統が主流をなしている。さらに石見神楽は江戸時代に阿須那(あすな)、矢上(やがみ)、出羽(いずは)の3ルートを辿って広島に入っているが、加計の神楽は矢上ルートのものが多いようである。最も近年では、地区によってた他県や他市町の神楽団を勧進して楽しむ風もある。
 新舞は、江戸期にリズムが軽快で詞章もわかりやすく改作され、旧舞と区分けされる。新舞は多分に劇的な要素があって調子は軽快、動的なものが多い。みせる要素が強調されている。衣装は豪華絢爛、目を見張るばかりである。こうして、広島の人々は、神楽を観賞して秋の夜長を楽しむのである。−平成18年10月−
着天宮 長尾神社
着天宮 長尾神社
大元神社
大元神社 三島神社

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