大阪
ゴージャスな花 ‘プヤベルテロニアナ’ −交野市私市(大阪市立大学理学部附属植物園)−
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 平成20年5月下旬から6月にかけ,交野の植物園でプヤベルテロニアナの花が咲いた。6年ぶりの開花という。
 いくつもの小さな花序が重なり、長くのびた房状の花塊が天を衝く。花びらの奥からヒスイ色の光がもれ、芳香を放つ。八方にのびるツノ状の棘は花の密に群がる外敵防御の番人たちであろう。花の頂点まで地上から3メートル余はある。
 花の周りは脚立に乗り花を覗き込む人や写真を撮る人、歓声をあげる家族連れなどで随分賑やかである。
 プヤベルテロニアナの原産地はチリ。南アメリカのアンデス山中の高所に咲く花である。荒涼とした乾燥地の岩場や深くえぐられた谷川の崖地などで咲く花のようである。ブヤ属の花は100種をゆうに越えるほど多く、近年、種の輸入が行なわれている。しかし、日本国内で開花の情報に接したことがない。それほど栽培が難しいとされるプヤベルテロニアナの開花がこの植物園で咲く不思議は、なんとも明かしがたい。ほとんど奇跡に近い。市大植物園は自然の山野を活かした複数区の植物相の展示や稀少植物の栽培、開花実績で知られる植物園。プヤベルテロニアナの開花も広大な園地から選択された栽培箇所(場所)に開花のヒントがあるのかもしれない。それにしてもゴージャスで気品のある花である。インカの至宝であろう。−平成20年6月1日−

プヤベルテロニアナ
大阪市立大学理学部附属植物園
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