シャンデリアのような花 ‘アオキリュウゼツラン’ −交野市私市(大阪市立大学理学部附属植物園)− |
7月下旬、交野の植物園(大阪市立大学理学部附属植物園)でアオキリュウゼツランが花を咲かせた。遠目には鉄柱からくねった支柱が20数本生え出て黄色の光を放つシャンデリアのように見える。鉄柱は高さ数メートルはあるだろう。花は明るく、秋田竿灯のようにも見え、なかなか美しいものだ。
原産地はメキシコ。わが国では観葉植物として植えられたそれを民家の庭先などでよく見かける。葉先が尖り肉厚の植物は異国イメージがあり愛好家も多い。しかし、花を見かけることはほとんどない。1生涯に1度開花すれば幸運といわれるほど成長は遅く、数十年に1度の開花であるらしい。
花茎は直立し、植物園のそれは実に太く、花柄が二十数本生えだしている。リュウゼツランはずいぶん多くの品種があるが、花期が近づくと花茎や葉などにでんぷんを含む液体を蓄積し、蒸留酒の原料となる。花よりむしろテキーラなどの酒で知られる植物である。
交野植物園ではアオノリュウゼツランを路地で植栽し、4年前にも開花させた実績がある。植栽地は2年前、プヤベルテロニアナが開花した場所近くにあり、そこは植物園のいわばラッキースポット言ってよく珍しい植物の開花に成功しているところだ。
盛夏の日、アオキリュウゼツランは故郷を思い出したように、澄んだ黄色の花をつけ天を衝いている。花期が終わると、その株は枯死するという。−平成22年7月− |
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アオキリュウゼツラン |
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