木津川にかかる恭仁大橋の北、三上山(海住山)の中腹に海住山寺がある。境地は四面、老樹が鬱蒼と繁り、幽境をかもしだしている。
寺は聖武天皇の勅願寺で、良弁僧正の開基。薬師堂の前に五重塔が建っている。高さ17メートル余。建保2(1214)年の建立。各層3間4面、本瓦葺で相輪がのびやかに天を衝いている。
もともと桧皮葺であったが慶長、明暦年間に行われた数次の修理の際、本瓦に葺き替えられた。各細部の手法は鎌倉建築の高雅な雰囲気がある。屋根の反りは緩やかで、桧皮の典雅なイメージを想像してしまう。本尊は十一面観音である。 |