帝釈峡、三段峡、石ヶ谷峡、神之瀬峡など中国山地には名の知れた峡谷が随分多い。また、神石高原や甲立高原などは準平原をなし、歩くにもよいところ。
広島は、四季折々の自然に恵まれ、自然歩道などもよく整備されている。ゆっくりゆっくり平原を行き、気に入った点景を発見すると楽しいものだ。
安芸高田市に甲立高原がある。広島県自然歩道の郡山・甲立ルートが通っていて高原のよい雰囲気がある。甲立高原の歩道脇に「甲立礫層」が展示されている。切り取った土層を屋内展示されたものは随分目にしたが、屋外で自然の状態そのままに展示される例は珍しい。触れると崩れそうな風化した赤や緑の礫がちりばめられた礫層の断面は、本当に美しい。
甲立礫層は昭和28年、広島大学の今村教授によって世に紹介された。地層の隆起を示すものであるが、化石の発見がなく、地層の年代を確定するまでには至っていないようである。−平成18年5月− |