鳴門市の北東海岸に、島田島、大毛島、高島の三島が浮かんでいる。鳴門海峡は、大毛島と淡路島を分ける海峡。小鳴門海峡は、鳴門海峡の西方で四国本土と三島を分け、南北に細く長くのびる海峡である。
潮の干満差等によって、渦潮がみられる鳴門海峡や幅100メートル余の水道を滝のごとく川のごとく速い潮流を生む小鳴門海峡の大観は、壮大な海上絵である。
小鳴門海峡の播磨灘との接合部に北泊地区がある。海峡に沿って細く、長く町がひらけている。小鳴門新橋から町を眺めると、引き潮に抗して、白い航跡を描きながら魚場に向う漁船の船影がみえる。北泊は、さしずめ海峡に浮かぶ海上都市。海峡に浮いて見える。北泊の浜に降り立つと、紺碧の空に干しカレイが風に揺れ、その向こうに小鳴門新橋が海峡を跨いでいる。 |