加茂の茅葺民家−三原市大和町萩原等−
 大和町の篠、福田の田園を貫き、芹田川が世羅町の加茂、西太田、右京の田園をゆったりと流れる。のグリーン・ベルトが尽きると、川は神農湖へ流入する。山裾に、ポツリ、ポツリと集落が散在し、民家の屋根瓦の赤と稲田のグリーンが田園空間に強いコントラストを与えている。
 荻原地区の高台に教専寺の茅葺の大屋根がみえる。屋根は随分高くみえる。棟に載る切妻の屋根が棟の高さを一層強調し、地区の家並みに絶妙のバランスを与えている。荻原地区に落ちついた雰囲気が漂うのも、茅葺屋根の効果であろう。教専寺の大屋根は明讃寺の大屋根とともに、賀茂台地を象徴する美しい茅葺屋根である。
 大和町、熊野町は、県下で最も茅葺屋根が多いところ。茅葺の寺院は、県下では教専寺と明徳寺くらいではなかろうか。関西以西の草葺屋根の寺院)として、京都の安国寺岩王寺(いずれも綾部市)、岡山の円通寺、徳島の安楽寺(客殿)、佐賀の大興善寺などがある。−平成18年7月−

教専寺 民家
明讃寺 民家