|
|
|
四国88箇所第6番札所、安楽寺。本尊は薬師如来。山号は温泉山。寺は、温泉の効能を説いた弘法大師の旧跡のひとつとされ、境内から鉄さび色した温泉が湧き出していたという。しかし、寺は長宗我部軍の兵火を浴び焼失。その後、阿波に入府した蜂須賀家政公によって、「駅路寺」(えきろじ)として現在地に堂宇が再建され、宿に困った遍路などの保護にも当たった寺である。
山門をくぐると、本殿の右側に入母屋式の茅葺屋根の客殿がある。駅路寺を現在に伝える建築物であるがいまは巡拝者の宿坊として利用されている。屋根の稜線に丸みがあり、四隅に反りのある大屋根に、大きく張り出した下屋根が廻してある。阿波特有の浮屋根である。阿波の古民家に共通する軽快さが感じられる。初秋の風が寺を包んでいる。−平成16年8月21日− |
|
|
|