日本には若狭・敦賀の気比の松原や京都・丹後の天の橋立、香川の津田の松原、佐賀の虹の松原、福岡の生の松原など白砂青松の松原が随分多い。
天の橋立のように観光客ばかりか自転車やバイクが行き交う小道が通っているところや虹の松原、生の松原のように松林帯を貫通する幹道が走っているところもあり、管理の方法はさまざまである。
志布志湾の西岸に延々と連なる[くにの松原]は舗装道路はなく、野生の松林の雰囲気が色濃く残る。太平洋から吹きつける風は容赦なく浜を襲い、湾曲した海岸は波の強度を増幅させる。広い松林の帯が背後の民家や農地を防御する。この辺り一帯の防風林の幅は、広いところでは500メートルほどはあろう。人々が営々として防風林を築き上げてきた証。白砂と青松が延々と伸び、その端がはるか彼方に消え入る景観は無双である。−平成15年3月− |