讃岐ビュートの山々 |
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讃岐に旅する人々は、飛行機の機内からフェリーの船室から或いは電車などの車窓から望む異形の山々に何かしら不思議な感慨をもつものらしい。 |
「古墳ですか? ふたこぶラクダのような山がたくさんありますが!」と真顔で尋ねる人がいる。円錐形をしたビュートの山々は1500万年の讃岐の記憶。大小無数のビュートの山々が阿讃山脈の際まで平野を飾っている。
小高い山から平野を眺めると、ビュートの山々が二重、三重に重なり、そのまた背後に青く澄んだ山々が延々と連なる風景がそこかしこにある。瀬戸内海に眼を向けると、女木島、男木島、大槌・小槌島などビュートのかたちをした島々が瀬戸内海の到頭の美を極めている。讃岐ビュートの山容は、千年以上も続くお四国さんの風といったいを成すものであろう。人々に安らぎを与え或いはその神々しさに涙するお遍路さんもいるであろう。讃岐のビュートの山々は、類例のない貴重な地球の遺産である。
ビュートの山々は山頂付近に良質の石材を産出することもあって、讃岐は古来から庵治石、由良石、青木石など名石の産出国であり続けている。産業との調和を図りつつ歴史と遍路の民俗が今なお息づく讃岐を飾る山々の景観保全について、一層の関心が寄せられるべきである。 |
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三上山(寒川町)から |
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多和(さぬき市)から |
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