九州絶佳選
福岡
上川端辺りの風景-福岡市上川端-

 博多の街に櫛田神社という古社がある。博多の総鎮守である。祇園山笠など博多の年中行事のメイン会場となる社。社の西に那珂川の支流・博多川が流れる。上川端は櫛田神社のいわば門前町として栄える街。博多川に沿ってアーケード街になっていて下川端に連なっている。
 上川端のアーケード街の入口付近に櫛田神社の裏参道がある。この界隈は博多のにおいが漂うところ。通りに並ぶ飾り山笠や博多川を下り博多座に向かう歌舞伎役者の舟乗込みなど連綿と続く行事は、博多の風物詩。水車橋の近くにぜんざい、焼きもちなど博多名物の店が軒を連ね、国体通り沿いには「かろのうろん」の大きな提灯が懸かった老舗もある。街角のうどん店の意であるが、「ど」を「ろ」と発音するのが博多弁であるらしい。博多弁が屋号になっている希少な店。博多の歴史を背負い、対面販売の店が多いのもこの街の特色である。
 水車橋を渡ると中洲。橋のたもとに「飢人地蔵」がある。江戸期の飢饉によって周辺地域から博多に流入し命を落とした人々が供養されている。今日なお、心優しい博多の人々によって毎年、欠かさず慰霊祭が行われている。−平成17年−

飾り山笠 舟乗込み