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佐賀 |
旧佐賀銀行唐津支店−唐津市本町− |
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唐津の本町通りを歩くと、はっとしてやがてしげしげと眺めたくなる洋館がある。時を経るほどに古臭くなる建物が、やがてモダンに感じられるようになるものもある。「唐津観光協会」の看板のかかる旧佐賀銀行唐津支
店舎屋はそのような建物ではないだろうか。
ルネッサンス様式に準じた舎屋は、地下一階、地上二階建て、外部は赤レンガ、内部は木造、屋根は銅版葺きの造りである。
明治45年に、唐津銀行の舎屋として建築されたが、後に佐賀銀行唐津支店用途を変え現在は、唐津の観光案内所として活用されている。
建物の設計は清水建設の田中実氏であるが、明治のレンガ造りの洋館建築の大家・辰野金吾氏の指導を受けた建物とされている。辰野金吾は唐津の出身。東京駅や日本銀行本館などの設計で功績を残している。県下では武雄温泉の楼門などが残っている。二階は資料館になっていて、辰野金吾の資料などが展示されている。辰野は、後継を同郷の曽禰達蔵に託し、1919年(大正8年)逝去。享年66歳。曽禰達蔵は旧三菱合資会社唐津支店本館を設計、施工をした三菱の建築顧問を務めている。日本の近代建築の草分けともいうべき両人が奇しくも唐津の出身であった。
当建築物は、製塩、捕鯨、石炭、その他の物資の集散地として栄えた西肥前の経済力を示すモニュメント。華麗な外観は建設当時と少しも変わらない。
旧佐賀銀行唐津支店前の本町通りを少し西に行くと竹屋という鰻料理の老舗がある。切り妻、桟瓦葺きの木造3階建ての貴重な建築物である。通りに面しており、道路側から眺めることができる。 −平成17年− |
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