わち山野草の森−船井郡京丹波町坂原− |
ミズバショウ |
京都の北部、丹波に和知というところがある。そこは盆地をなし由良川が貫流。川沿いに国道27号線が走る。
国道の高みから眺めると、よく発達した河岸段丘上で農業が営まれ、重畳をなす日当たりのよい山ろくに人家がある。絵葉書を見るように美しい。
和知は「人形浄瑠璃」で知られたところ。天狗久の木偶(でこ)人形を数多く所有するという。
この町の道の駅「和み」の近くに「山野草の森」がある。四季折々の山野草が咲き、展示・即売もある。当地の人気施設である。
山野草の森は天蓋山山麓に設けら約12ヘクタールの施設。約900種に及ぶ山野草や樹木が自然そのままに展示されている。広大な園地と丹波特有の気候に馴染んだ草木に違和感はない。もともと自生のものも多いだろう。
山野草の森を訪れた4月中旬のころ、園地の入り口にシロバナタンポポやタチツボスミレが咲き桜は満開。JR山陰線のトラス橋がみえる遊歩道脇にはツバキ、サクラソウ、ユキワリイチゲ、進むほどにヒトリシズカ、シャクナゲ、カタクリの花が咲いている。
園地を上り下りするうちにミズバショウ、イワウチワ、シュンランなどの花も咲いている。休園日に芝刈りが行われたのか、葉が刈り取られたシュンラン(写真)が気丈にも花をつけている。やや湿った木陰ではミスミソウ、イチリンソウが群落をなしている。
この園地には組めど尽きない丹波を感じさせる草花が溢れている。北近畿訪問の際には、野草見学の入り口として山野草の森を訪ねられるのも良いだろう。−平成24年4月− |
ミスミソウ(ユキワリソウ) |
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