京都
大江山のアケボノソウ−福知山市大江町北原−
アケボノソウ

アケボノソウ 大江山山麓に初秋の風が吹き、二瀬川渓谷の河岸のもみじが黄味を帯びるころ、北原集落で稲の刈り入れが始まり、たわわに実った穂が次々と稲木にかけられていく。近年丹波で稲の天日乾燥を行う農家も少なくなった。
 農道の脇でハギが咲き、少し山道を歩くとアケボノソウが清楚な姿を路傍に映している。遠く谷筋に沿ってアケボノソウの大きな群落が見える。一人歩きの老人が深い谷に下りることは危険が伴う。諦めて農道に戻り、大江山登山道から仙丈ヶ岳を目指す。
 アケボノソウは珍しい植物ではないが、芸北(広島県)の八幡高原や近江の飯道山でみたアケボノソウが忘れられない。今日また、丹後境でアケボノソウの良い思い出ができた。
 近年、野草の盗掘が激しくなった。来年もまた、この大江山でアケボノソウに再会できることを願って下山。途中、ヤマドリが目の前の草むらから飛び立つ。間もなくモミジの季節がはじまる。−平成25年9月−

北原集落