京都
大江山の春−福知山市大江町−
 由良川の支流宮川の上流に元伊勢内宮皇大神社が鎮座する。中世、元伊勢詣りの流行で栄えた社である。今日、その北西に聳える大江山の御嶽信仰(鬼嶽稲荷神社)と重なり参詣者の絶えないところである。
 元伊勢の左手に、宮川の支流北原川が流れる。清流に沿って数キロ行くと北原集落がある。大江山千丈ヶ嶽(標高832メートル)の南山麓の山中にホッカリ浮ぶ集落は平家落人の里と伝えられる。戸数は数戸。昔日の面影を山河にたどり、集落の見晴らしのよい斜面に建つ「平家そば」で小休止。庭にイチリンソウ(写真下)。自生という。
 林道を行くほどに鬼嶽稲荷神社まで7キロ。神社からさらに1キロほど急な登山道を行くと頂上である。ブナの巨木が林立する道はなんとも清々しい。ミヤマカタバミ、エイザンスミレ、ヤマルリソウ、ミヤマキケンマ・・・・。花期の短いミヤマカタバミの花にめぐり合うことはそう多くはない。淡紫色の線条のある花である。淡くつぶらなイメージがなんともよい。エイザンスミレはこの地方では余り見かけない花。下山は仏性寺から二瀬川沿いに下り、KTR大江駅へ向かう。二瀬川の水が温みヤマフジが咲きはじめた。−平成21年4月下旬−

鬼嶽稲荷神社境内からの展望
大江山の雲海