京都
神崎海岸の野草−舞鶴市神崎海岸−
 日本海の丹後半島の経ヶ岬と大浦半島の成生岬を結ぶ若狭湾の海域は、西から宮津、栗田、舞鶴の諸小湾が立地し、変化に富んだ海岸線が彩を成し、住民の大半は直接間接に海と深いつながりを持ち生活する。そこは天橋立、安寿と厨子王伝説、由良の門などを海浜に刻むいわば「海の京都」と言ってよい。
 若狭湾に由良川が流入、その河口部に神崎という町がある。神崎は昔、塩田で栄え、今は由良川沿いの耕地に落花生などを栽培し、夏季は海水浴など観光で賑わうところ。平成22年7月8日、梅雨最中の神崎海岸を歩くと、ハマダイコン、コマツヨイグサ、ハマニガナ、ハマボウフウ、ハマヒルガオなどの野草がひっそりと咲いている。ハマヒルガオの花期は過ぎ、松林に僅かに姿がみえる。時おり河口部の鉄橋をゆく北近畿タンゴ鉄道宮津線の列車のほかに静寂を破るものはない。
 遠く、浜辺から子供たちの歓声が聞える。神崎海水浴場で「神崎さとおこし」のイベントが行われている。参加者によるヒラメの放流、砂彫刻、地引網体験など趣向も豊か。松林では製塩の実演も行われている。由良川河口部からは地引網を引く子供たちの歓声が聞える。網の中でスズキ、マダイ、コノシロなどが跳ねる。網を引いた後はつみれ汁に舌鼓を打つ子供たち。よい体験学習であったようだ。−平成22年7月8日−

神崎海岸の野草
ハマダイコン コマツヨイグサ ハマニガナ

神崎さとおこし会場
参考:ハマヒルガオの咲くころ