大島の自然−八幡浜市大島−
 八幡浜港から連絡船で20分。南予・大島は古い地層の島である。北から粟ノ小島、本島、三王島、地大島からなり、本島に連絡船の船着場がある。本島・三王島・地大島間は橋や海道によってつながり、釣りや磯遊びなどで島を訪れる人も多い。三王島に休憩施設(売店なし)がある。
シュードタキライト岩脈
ハマナデシコ
 大島はまた、シュードタキライト岩石を含む古い地層が露出する稀有な島。シュードタキライトは5〜6000千年前、地下深部の地震によって岩盤が急速に移動した際、摩擦熱によって岩石が溶け、液化したガラス質の物質が冷え固まった黒色の岩石。大島南部、山王島、地大島北部の西側海岸の断層崖や海岸一帯に分布する。国内屈指の規模。ランプロファイヤ岩脈や中央構造線に係る美濃田の渕大歩危、小歩危、ビュートなど四国には古い地球の鉱物遺産や風景遺産が少なくない。
 シュードタキライト断層崖のわずかな隙間や三王島周りでハマナデシコが咲いている。数本の茎が束になり紅紫色の花が密生する。フジナデシコとも。海岸端の花らしく対生の葉は分厚い。岩場で寄り添って咲く花は島の生活そのものだ。ハマナデシコは大島によく似合う。−平成23年10月−