大阪
交野の春−交野市私市(大阪市立大学理学部附属植物園)−
イトザクラ
 平成26年3月28日、私市植物園の桜が満開になった。夜間のライトアップが始まる。森を散策するとカタクリ、ミスミソウ、キクザキイチゲなどの山野草が林床を埋め、ミツバツツジ、ヒューガミズキなどの樹木が潅木林を彩る。研究施設の空き地で、地面を白く染める野草はシロバナタンポポ。大阪では珍しい花。
 3月28日は二十四節気の春分、七十二候の「櫻始開(さくらはじめてひらく)」の中日(一候5日中の3日目)。交野の自然を映したものではないかと思われるほど、当地の自然は七十二候によく合っている。しかし七十二候はもともと中国から移入された自然の暦。したがって、日本の風土にしっくりこないところもあり、30年ほど前から気象情報に七十二候を絡ませるのはいかがかという意見もあって今日、気象情報から七十二候が消えた。
 しかし生駒山地からゆるゆると延びる尾根筋に生えた当地交野の桜は、ヤマザクラもイトザクラもシダレザクラもきっちりと七十二候に違わず開花する。丹波や山城、信楽より1、2週間、開花が早いのである。このため、カメラマンは春の山野草の試し撮りでもなかろうが、交野の林床に身を捩じらせて、来るべき日のために腕を磨くのである。−平成26年3月−

カタクリ キクザキイチゲ
ミスミソウ(ピンク) ミスミソウ(紫)
シロバナタンポポ ミツバツツジ
大阪市立大学理学部附属植物園
堅香子かたかごの花(カタクリ) ゴージャスな花 ‘プヤベルテロニアナ’
シャンデリアのような花 ‘アオキリュウゼツラン’ メタセコイアの記憶
ウケザキオオヤマレンゲ 思い草(ナンバンギセル)
ササユリの季節 仏桑花
交野の春