松浦の県に往った太宰帥旅人は、神功皇后が鮎を釣り、三韓遠征の戦功を占ったという松浦川の故地を逍遙しこのように詠った。
松浦は魏志倭人伝が記す末盧国。壱岐対馬を経て大陸に至る要衝地だった。旅人の巡察もしばしば行なわれたのであろう。旅人一行は松浦川にのぞみ万葉集に11首の歌を残している。
松浦川は今の玉島川。虹の松原の東端を流れる小さな川である。川の辺に神功皇后を祭る玉島神社がある。道を隔てた川辺に、<松浦川玉島の浦に若鮎釣る妹らを見らん人の羨しさ 旅人>の歌碑が建っている。
今日は玉島神社の秋の例大祭。氏子が新米の入った米袋を神殿に献じ、厳かに神事が行なわれている。対岸では大村神社の境内で公孫樹の大木が晩秋を告げている。−平成17年11月− |