九州絶佳選
宮崎
宮崎県総合博物館民家園-宮崎市-
 宮崎神宮の森の北端に宮崎県総合博物館があり、民家園が付置されている。
 民家園には、椎葉の旧清田家、西米良の旧黒木家、五ヶ瀬の旧藤田家、高原の旧黒木家の草葺民家が計4棟、保存、展示されている。
 宮崎県下では、観光施設等として保存されているものを除くとほとんどの草葺民家は消滅した。民家園は、そのような意味でも大変意義深い。
 土間、ウチネ、デイ、コザと呼ばれる部屋を横一列に並べた椎葉の旧清田家住宅やオモテとカナエからなる二棟式(分棟型)の旧黒木家住宅(高原)など、みな宮崎特有の貴重な民家である。五ヶ瀬の旧藤田家住宅の建築年は1787年(天明7年)で県下最古の民家である。分棟型の旧黒木家住宅は、鹿児島県の大隈半島辺りにまで分布する県南西部の典型的な民家であった。
 南北に長く、住居にも地域差がみられる宮崎の典型的な古民家がこのようにして一堂に保存されたことに、宮崎の人々の深い郷土愛を感じる。

旧黒木家(西米良)

旧清田家住宅(椎葉)

旧藤田家(五ヶ瀬)

旧黒木家住宅(高原)