熊本
八千代座−山鹿市九日町−
山鹿は湯の街。永い温泉郷の歴史が息づく街。湯気が立つ街角の温泉は足湯。歓声が聞こえる。山鹿はまた、藩政時代には豊前街道の宿場町として栄えたところ。よへほ節で・・・山鹿千軒たらいなし・・・とうたわれた。
宿場の伝統は明治維新を迎えても変わることなく、その盛況ぶりは八千代座の建築で極まったであろう。人力の廻り舞台、花道、セリ、マス席・桟敷席などがあり、江戸期の芝居小屋の雰囲気がある。建物は、桟瓦葺き木造二階建て、入母屋造り。間口約十間、奥行き約六間、収容定員1274名、堂々とした劇場である。明治43年建築。飯塚の
嘉穂劇場
とともに九州の貴重な文化遺産といえよう。建物内部は演劇等で使用されているときを除き見学可能。−平成17年12月−