石切剣箭神社−東大阪市東石切町1丁目− |
生駒山の西麓に、石切剣箭神社が鎮座する。社は、その名のとおり石をも切るという利剣で患いを直してくださるという信仰のある神社である。とりわけデンボ(できものや腫れもの)の神様として、関西では名のある神社である。
近鉄奈良線石切駅を降り、通称信仰街道(写真下)をゆくほどに、延々と店が軒を連ね石切餅、かた焼き、砂糖の生生姜板などの菓子類やモンペ、エプロンなどの衣料品、魚菜、雑貨を商う。飲食店もある。商店の切れ目、切れ目に神、仏の小堂が建つ。占いコーナーも目立って多い。石切神社の界隈は、時間が止まったような懐かしさがある。
かつて村の鎮守や寺に百度石という願掛け石があった。今日でも百度石が残る寺社は多いが、苔むしていたり、役目を終えて境内の片隅に追いやられ、百度石の意味すら忘れ去られ、単なる石柱でしかなくなった。
子が病気で手術と聞けば、親は遠くにいても深夜や早朝などに社寺に参ってお百度をふみ、その成功を祈る民間信仰があった。百度石がないところでは、寺社の本堂や本殿周りを100回まわる風があった。受験や出産などことあるごとにお百度をふんだものだった。そうした子や親に対するやさしさが、家族の絆を一層強くして、ともに泣き笑いの生活を支えあっていたものだった。しかしいま、時代は大きく揺らいでいる。社寺でお百度石を踏むところも少なくなった。
石切さんはお百度参りが盛んなところである。鳥居と拝殿間に2箇所、百度石が立っていて、100回まわって(往復して)から参拝すると願い事が叶うという信仰がある。手に100本の紙縒りなどを持ち、回数をかぞえながらお百度を踏むのである。百度石が見えなくなり、境内に人の渦ができるのも石切さんの年末年始の風物詩。石切さんは、1年中、人出が絶えないところである−平成19年12月− |
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石切剣箭神社 |
参道 |
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