晩秋の由良川−加佐郡大江町、舞鶴市、綾部市、福知山市等− |
京都の北部に、日本海に注ぐ川がある。全長146キロメートル。丹波高原をたち、重畳をなす山々の間隙を縫い或いは盆地を潤し、やがて日本海の荒波にとける由良川。
春の頃、群れを成し遡上する若アユを育て、農作物を育て豊饒をもたらし、ようやく休息のときを迎えた川はいま、微かに揺れるススキの穂につつまれ、ときおり水面に浮上するカイツブリのほか静寂を揺るがすものはなく、静かに1年が暮れようとしている。
夏の間、釣りや川くだりのカヌー或いは海水浴で賑わったところに人の気配はなく、たまに鉄橋をゆくディーゼル機関車と漁師の小舟のみが由良川河口部のすべてだ。由良川には良い自然がある。源流から河口まで味わいのある川である。−平成19年12月− |
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