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センブリ<拡大>
(撮影地:綾部市) |
秋が深まるころ、奥丹波にセンブリが群生するところがある。毎年、秋のころ奥丹波に足が向くようになり10年になる。リンドウやヤマシロギク、センブリの花を観るためだ。今年もまた、群生地にセンブリが咲いている。
極細のスジの入った1センチ余りの花弁が美しい。
センブリはリンドウ科の植物。群生するセンブリの脇でリンドウが咲いている。可憐なリンドウもここでは脇役。遠慮がちに咲いている。
リンドウ科の植物は里山の入り口で咲くイメージ。同じリンドウ科の植物でもアケボノソウはやや日陰を好む。近江の道後山の谷筋に大きな群生地がある。
センブリは薬草。胃腸薬として名があるが、抗ガン作用もあるという。根ごと採集し、湯で振り出して飲む。千回、振り出しても苦く、センブリの語源になっている。
センブリは栽培が困難な植物。細々と自生地が保存されてきたが、消滅したところも多い。いまでは好事家の狩場(観賞や写真撮影のポイント)の花となってしまった感をぬぐいきれない。いつまでもセンブリの咲く野山を保全して行きたいものだ。 −平成24年11月− |