奥丹波の初夏(アマサギとキツネなど)−福知山市、綾部市、舞鶴市− |
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栗林を飛ぶアマサギとチュウサギの群れ |
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アマサギ |
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キツネ(ホンドキツネ) |
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キジ(羽を震わせて鳴く) |
丹波の名産・栗の花が咲き始めるころ、由良川やため池の水門や樋が一斉に開かれ田んぼに導水がはじまる。呼応して村々で田植えが始まり、カエルが鳴きはじめるとしばし梅雨待ちの状態が続く。
丹波では平年、6月10日前後が入梅の時期。農家は田植えが済むと大休み。主婦は鎮守に集い、思い思いに手料理を持ち寄って大日講など慰安会を開くところもあった。近年では温泉に出かけたり、家庭でゆっくりとくつろぐ人が多いようだ。
田植えが済むと見る見るうちに田面に水草が浮き、3週間もすればオタマジャクシが活発に動き始める。あぜ道ではあちこちでバッタが弧を描くようになる。
そのころ、位田や多田(いずれも綾部市)など田んぼが比較的まとまり、かつ見通しのきくところにサギは集まる。早朝、アマサギ、コサギ、チュウサギ、ダイサギ、アオサギが一斉に田んぼに舞い降り、餌をついばむ。群れの中で体格が最も小さいアマサギは固まって餌を食み、チュウサギやダイサギはアマサギをとり巻くようにして餌をついばむ。サギ中最大のアオサギは群れの外。ゆっくりとした動作で歩き或いは長い首を立て佇んでいる。アマサギは頭と首を前後にせわしなくうごかしてオタマジャクシやカエルをついばむ。ようやく目立ちはじめた頭や背中の栗色の飾り羽がなんとも美しい。
由良川の土手からケーン、ケーンとキジの鳴声が聞こえ、早朝の静寂を破る(写真上)。身をかがめるようにして田んぼのあぜ道に這いずり回るキツネ(写真上)。夜が明けもう好物のネズミはいない。バッタ、カエルなどを食んでいるようだ。キツネは田んぼのあぜ道に生えた背の高いスイバやギシギシの陰に潜み、サギを襲うこともある。キツネは田面のサギの最大の脅威。チュウサギやダイサギは警戒を怠ることはない。キツネの気配を感じるとサギは一斉に長い首をもたげ、群れに注意を促し、飛び立つ。
奥丹波の雪は深い。今冬は、動物にとっても受難の冬だった。三岳山麓や雲原(福知山市)の山間では積雪量3メートルに達したところも。春山を歩き、しばしば飢え死にし白骨化したキツネやシカの死骸を見かけたこともあった。
とき5月下旬、里の村々で田植えが始まるころ、田んぼに現われるキツネはみなやせ衰えている。ネズミやバッタを捕り、体力の回復を図る。キツネはちょうどこのころ冬毛が抜け替わる季節。みなやせ衰えている。やすやすとハンターの餌食になるものこのころだ。しかしキツネはニワトリなど家畜を襲うことはまずない。バッタやネズミを捕食する益獣。しかし、単独で行動しその不気味な容姿が嫌われ、人に駆除されてしまうわけだ。活気に満ちた季節にも、田面では動物が生死を争っている。
近年、急激に増えた奥丹波の害獣はイノシシとクマ。特に、由良川流域の幹道沿いで明け方、泥を浴びた100キロを超えるイノシシが群れをなし道路に出ていることがある。接近しても原付くらいでは驚かず、逃げないこともあるので要注意だ。クマの出没は栗が実る秋がシーズン。もっとも最近では入梅のころから出没する地域があり、ランドセルに鈴をつけ集団登下校する学童を見る機会も多くなった。−平成24年6月− |
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アマサギ(左)とチュウサギ(右) |
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群れるサギ
(アマサギ、チュウサギ、コサギ、ダイサギ、アオサギ) |
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