京都
深山のエビネ−綾部市−
 丹波の深山で咲くエビネが美しい。竹やぶやスギ・ヒノキの林床でひっそりと咲くエビネ。園芸種も随分多いけれども、自然のエビネは素朴で美しいものだ。
 全開の花被片は茶褐色。紫が勝ったものや薄茶色のもの等々配色はさまざま。唇弁は3裂し白。赤みがかったものもあり個体差がある。
 自然のエビネはこのほか花被片が黄色のものなどもあるが、西日本では乱獲がたたって自然のものは、ほとんど採りつくされた感がある。群落に出会うと、旧知と再会するような興奮をおぼえるものだ。
 エビネはラン科の多年草。春に新葉の間から花茎を出し10個ほどの花をつける。新葉のそばで束生する古葉は2年生。デンドロビウムと同じ仲間。−平成26年5月−