法輪寺の十三まいり−京都市右京区嵐山− |
京都市右京区嵐山の法輪寺に十三まいりという行事がある。それは陰暦の3月13日、いまは4月13日ないしはその前後の土日に、13歳になった子供が嵯峨の虚空蔵(こくぞう)さんと呼び慣わされる法輪寺本尊の虚空蔵菩薩に参詣する行事である。陰暦の3月13日は虚空蔵菩薩の縁日。虚空蔵菩薩から福徳・知恵を授かりに参詣するわけであるが、端的に「知恵もらい」とも呼ばれる。
その日、参詣の子供は両親に付き添われ、渡月橋を渡り対岸の法輪寺にまいる。本堂脇にテントが張られ、着物姿の子供たちで境内は随分華やかなものである。帰りは、橋のたもとで両親から、「ものゆうても、振りむいてもあかんえ」と念を押され、花見客の雑踏をぬってひたすら前を見て橋を行く子供たち。振り向くといただいた知恵が失せるという俗信が生きているようである。十三まいりの女子は着飾り、この期間中、渡月橋界隈は衣裳較べの趣もあり、なかなか華やかなものである。
十三まいりの風は日本各地でみられるが、京都人は法輪寺がその始まりで各地に伝わったという。近畿の十三まいりは、奈良の虚空蔵さん(弘仁寺)や舞鶴市愛宕山の虚空蔵さん(円隆寺)がよくきこえている。−平成20年4月− |
|
|
|
|