福知山マラソン−福知山市− |
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大江山連峰に雲海が漂い、由良川の流れが青さを増しススキの穂が天空に舞い始める11月下旬のころ開催されるマラソンがある。丹波路の秋の風物詩ともなった福知山マラソンである。今年で20回目(同時開催の全日本盲人マラソン選手権は11回目)を迎えた。大会はゲストとしてエリック・ワイナイナさんや森脇
健児さんらが参加して大いに盛り上がり、フルマラソンの部では高田伸昭 選手( 02:22:01)が優勝。
福知山マラソンは、市民マラソンとしての長い歴史がある。道路のコンデションや沿道の景色がよく、またボランティアなど土地の人々はトゲがなくみな温厚。福知山マラソンはランナーの人気も上々である。青年から中高年に至るまで参加者は幅広く、この大会を目標にして練習を重ね、1年間の締めくくりにしたり、記録の向上を楽しみにして、毎年参加する人も多いという。
福知山マラソンのスタート・ゴール地点は三段池公園。自然林を生かした雄大な公園。公園周りに体育施設や植物園、動物園がある。福知山は都市施設の整備面からも丹後・丹波のハブとしての地歩を固めつつある。−平成22年11月−
福知山動物園の「子ザルのみわちゃんとウリ坊」は子供たちの人気者。連日、子ザルたちと遊ぶ入園者で大賑わいである。
福知山動物園の二本松園長は動物と会話ができる心優しい園長として知られた人。時間ができれば園内を歩き回り、みわちゃんなど動物一匹一匹にかけられた心配ごとをひとりごとのようにぶつぶつとつぶやき、入園者の多様な意見に耳を傾けることに労を惜しまない。見聞された方も多いことだろう。最近はみわちゃの成長とともに、その処遇に心を痛めているという。併設のサル山で飼育すべきか、はたまたみわちゃんのサル権ともいうべきものを考え、他所の動物園に預け母親となる幸を願うべきか、悩みは尽きないがまず美和ちゃんと相談してみるという。
以来、1年余経過したが、過日、サル山に花火が投げ込まれ、多数のサルが火傷を負う事件があった。サルは怯え、サル山に深刻な事態が生じた。事件後、花火を投げ込んだ少年たちが園長のもとに謝罪に訪れ、悔悟の情を示したという。しかし園長は、少年たちが特段、家裁の審判や警察の指導によりそれを指示されている風でもなかったが、少年たちに「サルに謝ってくれ」と、きっぱり。少年たちは、早速、花火を投げ込んだサルたちに「ごめん」と謝り、サル山の清掃をしっかりとして帰って行ったという。園長は、「サルたちは掃除をしてもらって少年たちにもう悪いことをしたらあかんよとゆうて、気持ちよさようにしていました。」とのことだ。
皆が人に限らず動物にも二本松園長にみる愛と信とを持ち合わせておれば、社会から虞犯や街頭犯の根は絶えるに違いない。誰もが考えなかった二本松園長の重い一言で、少年たちもまた目覚め、立派な社会人に成長することであろう。
みわちゃんは今も、かつてのウリ坊とともに福知山動物園で仲良く暮らしている。巨体をもてあまし気味の元ウリ坊君もみわちゃんを背中に乗せ、気にする様子もなくせっせと餌を食み、平和な日々を過ごしている。−平成24年2月− |
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