楞厳寺(花の寺)−綾部市館町− |
綾部市館町の山間に楞厳寺という寺がある。真言宗の寺で寺伝では天平年間の開創と伝えている。
当寺は、長井一禾の鴉絵できこえた寺。近年はまた、関西花の寺に選定され、蓮など四季を彩る花を愛でる人も多いところである。当寺はお四国さんのミニ巡拝(写真左)で知られ、一山躑躅で覆われる5月のころ入山する人が最も多い。そうした花の伝統が花の寺に選定されたのであろう。秋の紅葉もまたよい。
楞厳寺がある館(たち)の赤國神社(写真下左)は、延喜式内社である。いまの豊里と今田の間に立地し、楞厳寺から続く尾根の先端部に当たる小高い丘陵上にある。館は荘園時代の栗村荘の内にあり、領家は崇徳上皇、粟田宮、後鳥羽上皇、後高倉院(守定親王)、室町院(後堀川天皇皇女)などに伝領された皇室領であったが、戦国時代に中国の毛利に通じた石川備後守直経が居城して織田信長に抗した歴史を秘めたところだ。栗村郷(東栗村荘)にもうひとつ延喜式内社がある。延喜式・何鹿郡中の佐陀神社としるされている。いつのころからか郡内に佐陀神社の名称が伝わらなくなり、近世、大川神社(写真下右)の氏地である栗村の氏子と澤神社の氏地である澤村の氏子が式内社を相争った経緯がある。発音上の特徴より佐陀という地名の意味するところや由良川右岸地における水利支配(要地)の比較等から大川神社こそ佐陀神社であると思われてならない。澤神社では赤国神社と接近しすぎているとも考えられるだろう。
楞厳寺近くに京都府畜産技術センター(写真右下)や農業大学校がある。−平成19年5月− |
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楞厳寺 |
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楞厳寺ミニ四国
(第53番付近) |
京都府畜産
技術センター |
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