鹿苑寺(金閣寺)−京都市北区金閣寺町− |
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応永4(1397)年、足利義満は、衣笠山の東麓に、樹林と苑池にあそぶ水楼を浮べた。三層の建物は、下層に屋根がなく中層の屋根は大きくはり出して造り、上層は宝形造である。屋根は中層、上層ともに桧皮葺。緩やかな曲線がしっとりとした建物景観をうみ、苑池の水面にもうひとつの楼閣を築いている。
建物の片方に突き出した切妻の漱清もこの建物から離せないものである。建物の主体部上層が禅宗の仏殿風に造られているから、漱清は王朝寝殿造の雰囲気を醸し、建物全体の均衡を保つ上でも必置であったのだろう。和様と唐様が絶妙に絡み合ったこの建物は、決してレンガやコンクリートで表現できない、我国の歴史が創りあげた名建築というべきものだ。
池畔をめぐり唐様柱、木鼻、斗きょうの細部をうかがい、樹林の小道から見え隠れする建物を眺めるのもよい。実景の一つ一つが脳裏に刻まれることであろう。−平成23年1月− |
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