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福岡 |
飯盛神社−福岡市西区− |
室見川の上流で飯盛山(標高382b、写真下)がその麗姿を天空に映している。山は、眼下に展開する早良の王国ともいうべきうまし土地の産土神の宿るところ。山頂から一宮、二宮、三宮(本宮)と威容を誇った飯盛神社は度重なる戦火によってわずかに本宮を残すのみであったが、近年、二宮が復興しアルミ製の大きな鳥居が山腹に建っている。
社は清和天皇の勅願によって造営されたと伝えられる。旧早良郡7村の惣社。
本宮の本殿は、飯盛山の山懐にあり流造(3間x2間)の銅版葺きである。元服式、かゆ占い、流鏑馬等々・・・近在の氏子の参拝が絶えない。かゆ占いは小正月の行事。福岡では筑紫神社等々においても伝えられている。流鏑馬は秋の例大祭に行なわれ、約400年の伝統がある。神事流鏑馬を伝承し、住吉神社、現人神社、香椎宮、志賀海神社等々の流鏑馬に奉仕する。拝殿脇に流鏑馬の銅像(写真上)が顕彰されている。
神楽殿では童が神馬の模型にまたがり記念写真におさまっている。七五三の参詣であろう。中国の宋風の狛犬も古色を帯びている。なんとも懐かしい風景がこの社にはある。
社の東に飯盛神社の神宮寺跡があり、文殊堂が建っている。境内に貞和5年(北朝年号。1349年) 銘の板碑がある。中央に梵字でマン(文殊菩薩) が配してある。薬研彫りで保存状態も良い。
飯盛山は、福岡市郊外の手軽な登山コースとしてよく知られた山。週末には登山愛好家で賑わう。 |
飯盛神社のかゆ占 |
飯盛山を望む |
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