石の桟敷-小豆島池田町-
 小豆島の三都半島の付け根辺りから、いくつもの浦々が弓状の弧線を描き、池田湾に口を開く。県道250号線が浜条、室生、二面・・・の浦々をめぐり三都半島を周回している。山が海岸に迫り、耕地の捻出に石垣が多用される。県道沿いの家屋や寺の石垣のある景観は実に美しいものである。
 秋祭り池田港の東海岸、浜条の県道脇に築かれた石垣(写真左)は壮観である。しかしこの石垣、家屋の用地ではなく、亀山八幡宮の秋祭りを見物するための桟敷。桟敷の幅は60メートル余、高さは15メートルに達する。日本でもっとも高く険しい桟敷ではないだろうか。
 石の桟敷は江戸期からの伝統を受け継ぐもの。桟敷、桟敷に占有権があって売買の対象になっている。桟敷からながめる祭りの素晴らしさが、このような特異な所有形態を生んだのであろうか。
 亀山八幡宮の秋祭りは、毎年10月16日に行われる。町内の各地区から太鼓台等が参集し、賑やかなものであるらしい。室生にある「小豆島ふるさと村・手延そうめん館」の直販食堂にかけてある亀山八幡宮の秋愛染寺のシンパク祭りの写真(右上)を撮らせていただいた。
 手延べそうめんは醤油とともに廻船によって全国に運ばれた小豆島の名産品。今日では、島に200軒ものそうめん工場があって全国に発送される。小豆島ふるさと村・手延そうめん館で、そうめんの製造工程を見学できる。
室生の小豆島ふるさと村近くにある島四国第32番札所・愛染寺の石垣は、高く美しい。石垣の札所というべき寺である。境内に樹齢800年を越えるシンパク(写真右)が植わっている。-平成16年6月-

小豆島ふるさと村

愛染寺

亀山八幡宮の秋祭り(H16.10.16)