極楽寺の脇道から参道を登ると八幡神社。境内に貴船神社、塩竃神社の小社が祀ってある。貴船神社は八幡神社の元社。塩竃神社は製塩を行った島の名残であろう。
神社の参道入り口の鳥居や高原氏墓標群の石塔に直島産の石材が使われている。少し赤味がかった味わいのある美しい石である。
積浦は崇徳上皇ゆかりの地。皇位継承をめぐる後白川天皇との確執から起きた「保元の乱」に敗れ、讃岐に配流、崩御した崇徳上皇。積浦は讃岐へ向かう途中に行在所が置かれたところ。積浦の泊が浦の行在所跡に「崇徳天皇宮」(写真上,4段目)が建っている。宮の傍らで上皇の崩御後、讃岐に追慕の旅した上皇の詩友・西行法師が寄り添う。
平成16年1月、直島で山火事があった。乾燥した強い西風に煽られ、火の手はたちまちのうちに島の北西部から東部の本村付近にまでひろがり、山林が広範囲に焼けた。「1週間ほど燃え続けました。特に2日ほどは手がつけられない状態でした。そのうち自衛隊の消防ヘリが来て、海水を汲み上げ空中から消火に当たってくれました。火の手が激しいもんで鎮火するとは誰も信じなかったです。しかし、えらいもんですな、火の手は下火になって消え始め、人家は焼けずにすみました。」と島民の声。
焦土と化した山林は、春の到来とともにやがて緑に覆われるが、山林の復元には長い歳月を要する。直島の表土は風化の進んだ花崗岩。防災工事や植林などが懸命に進められている。
近年、直島にベネッセアイランド直島文化村が整備され、ホテル、アートミュージアム、国際キャンプ場、海水浴場などが整備され賑わっている。-平成16年3月- |