京都
賀茂別雷神社(上賀茂神社)−京都市北区上賀茂本山−
風そよぐならの小川の夕ぐれはみそぎぞ夏のしるしなりける <藤原家隆卿>
 京都の大徳寺の東に大宮通がある。北大路大宮の交差点からまっすぐ北に延びる通りである。通りの両側に商家が延々と軒を連ね、和菓子、魚介、野菜、和洋装・・・と、この街にはないものはない。小売り、対面販売を主とした京都のよい雰囲気がここにはある。
 大宮通を往き御園橋大宮の交差点を右折すると200メートルほど東に入ったところに賀茂川が流れ、御園橋を渡ると賀茂別雷神社(上賀茂神社)が鎮座する。延喜式の明神大の古社。後年の山城国一の宮である。
 「山城国風土記逸分」によると、玉依姫が瀬見の小川で川遊びをしているとき川上から流れてきた丹塗りの矢を持ち帰り床の辺りに置いたところが、たちまち身ごもり男児を生み、別雷神として上賀茂(神社)に祀り、御祖神を下賀茂(神社)に祀ったという神婚伝説を伝えている。三輪神婚伝説に相通じる伝説である。境内に小倉百人一首の・・・ならの小川の夕ぐれは・・・で知られる清流御手洗川が殿舎をめぐって流れている。丹塗りの楼門や透廊、本殿など変化に富んだ布置の妙がある。 −平成20年3月−

参考 : 藤原家隆卿