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佐賀 |
西葉集落の大岩−鹿島市西葉− |
鹿島、肥前浜、庄金と浜街道を往くと西葉の集落に至る。この辺りでは、経ヶ岳(1,076b)、多良岳(983b)から流れ出た尾根、尾根が有明海に迫り、その尾根尾根のはざまに集落が発達している。西葉はそのような有明海沿岸の典型的で美しい集落であろう。
西葉川の扇状地に発達した集落は、山裾周りに人家が散在している。
西葉集落の北側の入り口に、ぽつんと巨岩がすわっている。岩は道端左手の畑の中にあり、四方を笹竹で囲い注連縄が巡らせてある。いわゆる忘れ石であろうが、この地方にはこのような大岩が海岸端や水路などに散在し、注連縄が張らされている場合が多い。子細伺わなかったが、経ヶ岳の山神への鎮魂であろうか。人々の災害への古い記憶がこのような信仰に結びついているのではないだろうか。とにかくびっくりするような大きな岩である。
集落の中程に竜源禅寺がある。高い石段を登ると草葺の立派な本堂がある。犬王袋の樹福院の本堂を髣髴とさせるが、棟の長さは竜源禅寺が少し勝るようである。石段から集落を望むと、麦秋に包まれた田園のそこかしこに直家或いはクド造りの草葺の民家が数棟散在し、集落を美しく飾っている。 |
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