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佐賀 |
黒牟田焼の里(武雄古唐津)−武雄市竹内町黒牟田−
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丸田窯(黒牟田) |
唐津湾にそそぐ松浦川の源流部、武雄市の竹古場山(標高303メートル)の山麓一帯は武雄古唐津(写真右、案内板より引用)の故郷。70窯余りの古窯が確認されている。窯はもともと豊臣秀吉が朝鮮半島に出征した文禄・慶長の役(16世紀)の頃、日本に渡来し帰化した深海宗伝が率いた陶工集団によって開かれた。以来、400年余、連綿として朝鮮の陶技を伝承しつつ、近年に至っては新技法の開発など新たな取り組みが行なわれている。
黒牟田焼きは、そのような朝鮮陶技の流れをくむ古唐津に李朝の文様などを織り込んだ素朴な親しみのある作例が多い。窯は、竹古場山の北麓辺りの黒牟田の谷筋に展開しており、盛時には60余の窯元が軒を連ねていたという。黒牟田の谷を少し下ったところに「飛龍窯」(真手野)がある。全長23メートルの登り窯で世界最大規模(写真下)。焼成室は4室(袋)。一度に12万個の湯のみを焼き上げる。内部は喫茶店にもなるくらいの広さがある。あたり一帯は「竹古場キルンの森公園」になっていて、陶芸教室や楽焼などの体験施設がある。残念ながら飛龍窯については、福岡県西方沖地震に被災したため、いったん取り壊して新たな窯に作り変えられるという。
肥前の山中に花開いた陶芸の里。谷川のせせらぎが春を告げる頃、折りしも飛龍窯まわりで「第10回TAKEO世界一登り窯まつり(窯出し展:平成18年2月24日〜26日)」が行なわれている。−平成18年2月− |
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