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佐賀 |
黒髪山−山内町− |
草をしとねに木の根を枕花と恋して50年朝夕に草木をつねの友とせばこころさびしき折ふしもなし <牧野富太郎> |
杵島、西松浦の郡境に横たわる黒髪山(516b)。実に姿の良い山である。牧野博士をして標記の・・・こころさびしき折ふしもなし、と詠ませた黒髪山。
豊かな自然は、天然記念物・カネコシダなど千三百種にもおよぶ植物を育む。黒髪山の東麓筒江は、陶工巨関が引退後窯を構えたところ。盛時には200窯を数えたという。この人もまた、慶長年間の豊臣秀吉の朝鮮出兵によって、平戸藩主松浦鎮信が朝鮮から連れ帰った陶工のひとり。故郷に戻ることなく、巨関は当地に骨を埋めた。
黒髪山はどこから見ても美しい山であるが、特に神六山(447b)の中腹、舟の原あたりから眺める黒髪山の姿は、霊験に通づる神々しさもある。 |
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