佐賀 蕨野の棚田-相知（おうち）町- 　 八幡岳（863.6�b）の麓、平山川の上流に蕨野という集落がある。棚田でよく知られたところである。傾斜のある山地に石垣を積み耕地を生み出し、水利をめぐらせ、しだいに高度を増す総数1050枚の棚田は終には天辺に至る。高い石垣は急峻な地形の証。棚田の規模は無双である。一片の土地も無駄にすることなく棚田が築かれる不思議は、八幡岳の豊富な水と伝来の水利の工夫によるものであろう。水路にほと走る八幡岳の水が良質な棚田米を育てる。 　 しかしまた、急峻な地形は、災害と隣り合わせである。岩陰で石仏が耕作の無事を祈っておられる。路傍に或いは五百羅漢展望所の断崖に咲くオニユリは、人々の厳しい労働への羅漢さんのプレゼントであろう。　 案内板より