|
佐賀 |
加部島−唐津市呼子町− |
東松浦半島の最北端呼子町の北に、加部島という島がある。海峡を隔てること550メートル。近くて遠い海峡に呼子大橋が開通して20年余になる。長さ728メートルの斜張橋である。
島の最北端杉の原に牛の放牧場がある。玄海灘に浮かぶ小川島、加唐島などをのぞむ玄武岩の絶壁上で悠然と草を食む。牧草地の緑が紺碧の海によく映えている。大変美しい岬の牧場である。キャンプ場などの野外活動施設がある。島の南部の高台には「風の見える丘」があり、見晴らしのよいところに瀟洒な風力発電施設やレストハウスが設けられている。眺望絶佳の高台から見下ろす呼子大橋の景観は秀逸である。
加部島は古代に大陸に向かう人々が航海の安全を祈願したところ。任那に旅立つ大伴狭手彦を見送ったという佐用姫の陶製の大きな像(写真左上)が天童岳の頂上付近に立っている。
島の田島神社は、西暦738年(天平10年)に大伴古麿に詔命し大明神の称号が授けられ、1185年(元暦2年)に正一位に累進した古社。祭神は天照大神の三姫神(田心姫、市杵島姫、湍津姫)である。石段下の肥前鳥居は肥前守源頼光が西暦980年(天元3年)に寄進したもので、佐賀県最古のもの。頼光鳥居と呼ばれ、石額の「田島宮」は藤原佐里の筆になるものである。
田島神社は、古代に航海を司った安曇族が斎祭った社。境内に佐與姫神社(写真左上)がある。加部島は、風光がよく周年、人出の絶えない島である。−平成17年− |
風の見える丘 |
呼子大橋 |
杉の原(放牧場) |
田島神社 |
|
|
|