東松浦半島中央部の山間で、早稲田にワラタカが立ちはじめた。その呼び名はワラタカ、コズミなどといい地区、地区で異なるようである。この地方では、稲刈りが終わると稲藁を小口に束ねて積み上げ、冬季の牛の飼料として保存されてきた。高さ2メートル余のワラタカが、累々とたんぼに立つ風景に、私たちは例えようのない安らぎを感じるものである。
かつてどこでもみられたワラタカは徳島ではワラグロ。剣山の麓ではカヤもカヤグロにして堆肥などに利用した。各地でその呼び名も用途も異なったが、自然の恵みを無駄にすることはなかったのである。
近年、畜産農家では、機械化によって円柱状にした藁をビニールに包んで保存するところも多くなった。鎮西町では岩野、菖蒲、加倉、高野地区などでワラタカを目にすることができる。県下では、富士町、川副町などでもみられるが積み方が異なり規模も小さい。−平成17年8月−
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