三津の渡し−松山市−
三津の渡し 松山市三津から対岸の港山町まで渡し(写真左)がある。干潮になれば歩いて渡ることができたというが、日に2回の満潮がある。。深く入り込んだ港を迂回すれば2、3キロメートルにもなるだろう。湾口の渡しは500年ほどにもなる歴史がある。
 渡しは、松山市道(高山2号線)の一部で延長80メートルほど。歩行者或いは自転車を乗せ足繁く往来する。30数年前にエンジン船に切り替わるまで永く水竿や手漕ぎの時代が続いた。寛政7(1795)年、小林一茶もこの渡しに乗って古深里洗心庵の句会に出席したという。松山の俳句の伝統が偲ばれてよい話だ。渡船料は無料。−平成15年8月−
三津駅(活ノ予鉄道)
伊予鉄道 三津駅 明治22年(1888年)、松山-三津間に県下初の軽便鉄道が敷設された。車両はドイツから輸入された。3年後には高浜まで路線が延長され、三津浜界隈は松山の玄関として大いに栄え、夏目漱石によって紹介された坊ちゃん列車が走った。
 三津駅は昭和初期の駅舎。下見板張りの切妻、スレート葺きの和洋折衷の建物である。駅舎は平入りになっていて、玄関の切妻、アーチ形の窓がユニークで味わいがある。何よりも70数年にわたった港の変遷を見守り続け、市民生活の泣き笑いを滲ませた駅舎は貴重である。−平成15年8月−