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アコウ(タコの木)−西予市三瓶町− |
蝉しぐれアコウの木陰や岩ノ下 〈芳月〉 |
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アコウ(西予市三瓶町) |
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アコウ(西予市三瓶町下泊) |
熱帯性の高木にアコウという木がある。海岸線や海岸近くの山地に分布する。保守力が強くその根が蛸の足のように四方八方に延び、岩やコンクリート護岸などを問わず何でも抱え込む形状はまさに蛸である。
アコウの巨樹ともなると断崖から垂れ下がった大人の胴体ほどの気根が地面に突き刺さり生えているものがある。気根自体が一本の木のようにみえる。見上げるとガジュマロのような樹冠が天空を覆っていて、ここが四国であることを強く意識させる。
四国におけるアコウの北限地は佐田岬半島。高知県から宇和海の海岸線を北上すると、国道378号線沿いの田之浜、下泊、皆江(いずれも西予市)など随所でアコウを目にすることができる。目通し5メートルを超える大樹も珍しくない。神格を得て祠に祀られたアコウ、或いは気根が30メートルを超えるアコウも少なくない。大岩をがっしりと包み込み、保水力のあるアコウはがけ地の崩落を防ぐいわば保安施設にもなっていて、住民にとっては神にも通じる存在であるのだろう。
もくもくとした樹冠はガジュマロの盆栽を見ているようである。下泊の「レストラン宇和海」の直近に樹形の美しいアコウがある。国道は名ばかりの難路であるが、通りがかりに眺めるなどするとよいだろう。−平成23年7月− |
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