小豆島に誓願寺という寺がある。島四国の第31番札所になっていて参拝者の絶えない古刹である。寺の中門をくぐると、正面に蘇鉄、左手にシンパク(写真右)がある。ともに大樹であるが蘇鉄の方は、日本の頂点木である。高さは6メートルを越え、樹齢は千年以上。雌株である。幹周りもゆうに6メートル以上はある。支幹が四方に伸び、蘇鉄が境内を覆う。根元は薄暗く、鬱蒼とした森を思わせる。
蘇鉄は、もともと本州、四国には自生しない木であるが、珍しさや常緑の縁起のよさが大名や豪商に好まれ、南方から運ばれた。香川県下には、公園や神社、仏閣に蘇鉄の大樹だ随分多い。高松城、栗林公園、仁尾の常徳寺などの蘇鉄はいずれも群落を成す蘇鉄。誓願寺のそれは、一本の蘇鉄である。シンパクの方も幹周りはゆうに2メートルを越える巨木。直立の樹姿はすがすがしく、見事なものである。-平成16年1月- |