吉祥寺(四国88箇所第63番札所)−西条市氷見−
 吉祥寺は四国88カ所第63番札所。88カ所中、唯一、毘沙門天を本尊とする寺。「四国唯一体毘沙門天王鎮座」の石柱が門塀の隅に建っている。
  門前の水路に架かる石橋を渡り、二頭の石象の間を通り山門をくぐり境内に入ると、正面に本堂、本堂の左手に大師堂がある。境内は比較的こじんまりとしていて、納経所、八角堂などの堂宇が一望できる。
  境内の本堂前に成就石、お迎え地蔵、くぐり吉祥天女像(写真)がある。成就石は石の下方に30センチほどの穴が空いていて、本堂から成就石まで目隠しをして、願い事を唱えながら進み、金剛杖がうまく穴に通ると願いが叶うという言い伝えがある。マイ金剛杖のない人には貸出もある。
  吉祥天女は富貴をもたらす仏様。台座の隙間をくぐると御利益があるという。成就石といい吉祥天女といい、毘沙門天はなんとも微笑ましい功徳を施しておられる。身体がつかえ吉祥天女の下で固まってしまったご婦人はすでに富貴の人であろう。天女が微笑んでおられる。同寺のマリア観音と山越えの弥陀三尊は秘蔵仏となっている。
前神寺(四国88箇所第64番札所)−西条市州之内−
  石鉄山(いしづちさん)神前寺は、桓武天皇の勅願寺として建立された寺。四国88箇所第64番札所。本尊は阿弥陀如来。寺はもともと石鎚神社の別当寺であったが明治初期に廃寺となった後、同11年に再興された。石鎚派修験道の本山である。
  鬱蒼とした杉木立が茂る参道をゆくと、つきあたりに屋根組みの美しい銅板葺き入母屋造りの本堂がある。大師堂、金毘羅堂、薬師堂、護摩堂などが建ち並び、大師堂の近くに滝打修行が行なわれた滝不動がある。寺の南方に霊峰石鎚山(1982b)が聳えている。
三角寺(四国88箇所第65番札所)−四国中央市金田町−
 三角寺は四国88箇所第65番札所。伊予国の最後の札所である。寺は三角寺山(標高450b)の中腹にある。本尊は11面観世音菩薩。 急な石段を登ると石段途中の少し平坦になったところで地元の方によるお茶の接待があった。
  巡拝を終え石段を下ってくるお遍路さんから「ようお参りで」と声をかけていただいた。石段( 73段)を登りつめると山門。釣鐘が吊るしてある。入山の作法として鐘を突くべきもののようである。
 山門左手を進むと本堂。右手に大師堂がある。本堂で般若心経をあげる巡拝者の読経の声が境内に響いている。檀那寺の住職に引率された巡拝団のようであった。 本堂前の少し下がったところに手洗鉢があり、その横に一茶の歌碑がある。
これでこそ登りかひあり山桜  <一茶>