おおの自然観察の森−廿日市大野町屋草−
 大野町の権現山の麓に「おおの自然観察の森」がある。森にベニマンサクが群生し、湿地が豊かな自然を育む。
 夏季、湿地にサギソウが咲き、日本で一番小さな全長20ミリほどのハッチョウトンボ(写真下)が飛び交う。森の小さな池にはモリアオガエルが棲息する。ベニマンサクが紅葉する秋は、この森を訪れる人が最も多い季節だ。
 森にはオシドリ、カワセミ、カケス、シジュウカラなど鳥類も多く、四季を通じてバードウォッチャーの目を楽しませてくれる。冬期の小雪が舞う荒れた日、オシドリが数十羽、池に出て派手な銀杏羽を立て群れ泳ぐ湖面に飽きることはない。この森は、何度訪れても新鮮である。
 園内に自然観察センターがある。動植物の写真パネルや書籍など資料も充実している。森の情報基地。湖の周りには遊歩道が整備され、観察小屋、モリアオガエルの池、学習広場などの施設が配置されている。おおの自然観察の森は、何度でも足を運びたくなるところだ。−平成18年−

サギソウ ハッチョウ
トンボ
 オシドリ